MisakiWorld

ゲームから少女マンガ、プログラミングまで。

この時代にネット有名人がテレビに出るということ

この時代にネット有名人がテレビに出るということ

http://www.flickr.com/photos/74105777@N00/393441048

photo by adactio

まとめ(言いたいこと)

ネットで話題になっていて、

顔を公開していない人が、

テレビに顔出し出演したら、

その後の人生が変わります。

それは、あなたがコントロールできない方向に変わるかもしれません。

親御さん、保護者の方。

もしも、あなたのまもるべきこどもたちが、テレビの取材を受けることになった場合、その後を守ってあげられないなら、断るべきです。

 

 

何があったか

先日、とあるサイトで、「この人の動画すごいね!」という話題が出ていた。

いくつかのまとめサイトでもそれが取り上げられた。

自分も興味があり、動画自体も良いものだと思った。

 

数日後。

たまたまテレビを見ていたら、その動画を作った人を取材するというコーナーがあり、びっくりした。

テレビはこういうことをしなければならないのか。

テレビで報道して、もっと有名にしたいのか。

不安だった。

この人がテレビにどの程度出るのか。

できれば出身地は隠してほしい。

できれば顔出しなんて絶対やめてほしい。

 

でも、不安はそのまま放送されてしまった。

 

「○○にお住いの」←近所の駅や住宅地、その人の家の玄関まで映る

「○○さんはいますか?」←動画公開時のID名をテロップで流す

(親御さん登場)←親族が登場している

「私が○○です」←本人顔出し、動画を撮影した場所も公開

 

これが昔だったらば、まだよかったかもしれないが、今はそういう時代じゃない。

好奇のまなざしを向ける人に、「いつでも私を攻撃してください」という情報をばらまいてしまっているのだ。

(ただひとつこのテレビ局がいい仕事したなってのは、動画を専門家に見せて、専門家からのコメントを取ってきているところだったけど、とりあえず顔出し取材のインパクトがでかすぎて……)

何が起こるのか

もう一度引用する。

「○○にお住いの」←近所の駅や住宅地、その人の家の玄関まで映る

→近所に住んでいればどこかわかる。地図サイトで調べられる。特徴的な建物があればなおさら。

「○○さんはいますか?」←動画公開時のID名をテロップで流す

→IDと放送された本人とが一致することを証明してしまっている。IDを別サービスで検索される可能性がある。

(親御さん登場)←親族が登場している

→こどもはFBなどをやっていなくても、親がやっている可能性。類似画像検索で特定される可能性がある

「私が○○です」←本人顔出し、動画を撮影した場所も公開

→ぜんぶまとめて(不法に)テレビ番組を動画サイトにアップしたり、画像を切り取ってネットに公開されれば、一生消えないものとなる。これは近年「デジタルタトゥー」と呼ばれる。→ wikipedia:デジタルタトゥー

 

ネットには、いや世界には、あなたを好きな人も、嫌いな人も、何の根拠もなく「おまえなんか死ねばいいのに」と思う人もいる1回も会ったことがないのに「僕・私のパートナーになるべきだ」と思い込んでいる人もいる

犯罪すれすれの攻撃がきたとき、あなたは逃げ切れるか。保護者は保護すべき人を守れるのか。それができないなら、この時代にネット有名人がテレビで顔出しするのは非常に危険である。

 

(上記の「ただひとつのいいこと」の方向でいけば、今回の取材で動画の人と専門家との「コネ」ができたというあたりではないだろうか。)

 

今回登場した人が、将来トラブルに巻き込まれないか、心配でならない。これをチャンスとして将来を自分の思うように変えていくほどの、強さがあればいいのだけど、たぶんみんな、それほど強くない。

 

 

類似した案件

駅の話

人ではなくて駅の話だけど、人も駅も何もしてないのに、ニュースで取り上げられてしまい、、、

NHK NEWS WEB Cameraman’s Eye 北の無人駅と女子高校生

地元の方からの「小さなお願い」が拡散されています。*1

jam1226.blog40.fc2.com

 

無敵の人
インターネットにおける悪評

こころが痛い案件だった/特定のモノをひぼう中傷する人が現れるきっかけなんて、なんでもかまわない/仕事、家庭、趣味等に各6人くらいの「わかってくれる人」を作れたらなんとかできそう(6次のへだたり)だけど。

2015/06/03 12:46

 

スマイリーキクチさん

大人ならおそらく知っている(知っていてほしい)事件。wikipedia:スマイリーキクチ中傷被害事件にもまとまっているが、ご本人のブログもあります。

著書も図書館などで手に取っていただきたいです。

 

参考資料

*関連したイベントやセミナーに足を運んでみるのもいいと思います。

お住いの自治体・都道府県名と「(青少年)スマホセミナー」などで検索してもいいかもしれません。ネットリテラシーやネット犯罪を扱ってくれるものもあります。

たとえばこういうものがありました。

総務省|スマホ安全セミナーinわかやまを開催

 

*先月アドベントカレンダーで参加させてもらった、「子供とネットを考える会」去年の記事。

「子供」×「ネット」 Advent Calendar 2014 - Adventar

 

リテラシーの本や、「現実に刑事・民事訴訟される」例など。

 

 

*1:まとめサイトで適当に編集され無断転載のあげく、著者の意図と違うことが書かれているため、まとめサイトは見ない方がいいです