MisakiWorld

ゲームから少女マンガ、プログラミングまで。

マイルストーン。2。

1はこちら。ていうかnoteに書いてもよかったのかも。

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人生の中でひとは、たくさんの出会いを経る。そのなかで「あれは今思えばマイルストーン/今の自分になるきっかけだった」という出会いもある。

 

人がたかだか100年弱生きる間に、直接体験できることなんてかぎられているから、人はどんよくに情報を集める。効率よくさばく。かみ砕き、そしゃくして、血肉にする。

 

これまでに出会った本の中で、あれは今思えば何かを変えたな、というもののひとつが、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』である。

 

どうも2年ほど前は紙書籍を紹介したっぽい。

 

misakiworld.hatenablog.jp

 

 

 

なお、ニーズが大きかった様子で、このあと3冊ほどシリーズが出ている。翔泳社さんの福祉本関係のnoteもあったりする。

 

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仕事で発生する焦りをどうするか、そしてこのころはまだよく知らなかった「寛解」--つまり体調不良とどううまくつきあっていくか、ぼんやり考えていたころにこの本を見たと思う。

 

おそらく日頃から技術書の新刊をほぼほぼチェックしていて、そのなかで異質だったとは思う。

 

若いころは(45歳の僕がいうのもアレだが)、体力もありあまってて、がつがつ仕事をしていた気がする。なんにでも積極的に取り組んでいた。ところが小さなほころびが出ていたことに気づけなかった。ちょっとした病気をして初めて入院を経験してから、いつまでもフルスロットルでやるのはよろしくないかなと思うようになった。

 

その後、仕事でちょっとしたトラブルがあり、ほんとにこのころ周りに迷惑をかけまくった。結局体調も崩した。異動願いを通してもらって、なんとなく雇用すること、雇用されることについて見えたものがあった。

 

この本には、焦る自分にあてはまるものもあった。具体的に何が? と聞かれると困るんだけど、いくつか役に立ったうちのひとつは、「会話に参加する」というくだりだった。

 

AさんとBさんが私の周囲で(すくなくとも背後以外で)話しているときは、会話に参加しなくとも、ふむふむと聞いてみるようにした。でもって、知らない製品名やら単語が出たら、聞いてみるようにした。あるいは、AさんとBさんが会話の中で、これなんだろうねっていうときに、自分が知っていることなら、話してみることにした。

効果が出ているかどうかはわからない。けれど、しなかった時より、そうしてよかったとは言える。

 

 

この本に出会ってからすこしあとに、寛解という言葉をきちんと知った。自分のあの時入院して手術した病気は、ちっぽけなものだと思い知るくらい*1、いまの日本の医療科学で完治しない病気と闘っている人を何人も知った。「何気ない日常」なんていわれるけどその何気ないものの重みが違っていた。

 

別に、火球のように一気に光り輝くような活躍なんてしなくていい。静かに波打って、ほんとうに必要な人に必要なリソースがいきわたればいい。焦る必要もない。そうするためのヒントがこの本にあったんだなと、寛解の意味を知ってからそう思った。

 

 

社内勉強会を企画したときや、新卒研修のときには、本を紹介している。どうしても、タイトルに「障害」とつくと、字面で構えてしまうので、そこはあんまり気にするな、と伝えている。この本を読んで理解しましょうとか、そういう押し付けもしない。--業界未経験の人がおろおろする所作をフォローできるヒントも、この本にはある。

 

 

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この記事は「S社の本25本ノック」アドベントカレンダー3日目の記事として書きました。うまくまとまらなかった。

 

adventar.org

*1:いちおう日本の保険会社的には完治と言われた