この時代にネット有名人がテレビに出るということ
この時代にネット有名人がテレビに出るということ
まとめ(言いたいこと)
ネットで話題になっていて、
顔を公開していない人が、
テレビに顔出し出演したら、
その後の人生が変わります。
それは、あなたがコントロールできない方向に変わるかもしれません。
親御さん、保護者の方。
もしも、あなたのまもるべきこどもたちが、テレビの取材を受けることになった場合、その後を守ってあげられないなら、断るべきです。
何があったか
先日、とあるサイトで、「この人の動画すごいね!」という話題が出ていた。
いくつかのまとめサイトでもそれが取り上げられた。
自分も興味があり、動画自体も良いものだと思った。
数日後。
たまたまテレビを見ていたら、その動画を作った人を取材するというコーナーがあり、びっくりした。
テレビはこういうことをしなければならないのか。
テレビで報道して、もっと有名にしたいのか。
不安だった。
この人がテレビにどの程度出るのか。
できれば出身地は隠してほしい。
できれば顔出しなんて絶対やめてほしい。
でも、不安はそのまま放送されてしまった。
「○○にお住いの」←近所の駅や住宅地、その人の家の玄関まで映る
「○○さんはいますか?」←動画公開時のID名をテロップで流す
(親御さん登場)←親族が登場している
「私が○○です」←本人顔出し、動画を撮影した場所も公開
これが昔だったらば、まだよかったかもしれないが、今はそういう時代じゃない。
好奇のまなざしを向ける人に、「いつでも私を攻撃してください」という情報をばらまいてしまっているのだ。
(ただひとつこのテレビ局がいい仕事したなってのは、動画を専門家に見せて、専門家からのコメントを取ってきているところだったけど、とりあえず顔出し取材のインパクトがでかすぎて……)
何が起こるのか
もう一度引用する。
「○○にお住いの」←近所の駅や住宅地、その人の家の玄関まで映る
→近所に住んでいればどこかわかる。地図サイトで調べられる。特徴的な建物があればなおさら。
「○○さんはいますか?」←動画公開時のID名をテロップで流す
→IDと放送された本人とが一致することを証明してしまっている。IDを別サービスで検索される可能性がある。
(親御さん登場)←親族が登場している
→こどもはFBなどをやっていなくても、親がやっている可能性。類似画像検索で特定される可能性がある
「私が○○です」←本人顔出し、動画を撮影した場所も公開
→ぜんぶまとめて(不法に)テレビ番組を動画サイトにアップしたり、画像を切り取ってネットに公開されれば、一生消えないものとなる。これは近年「デジタルタトゥー」と呼ばれる。→ wikipedia:デジタルタトゥー
ネットには、いや世界には、あなたを好きな人も、嫌いな人も、何の根拠もなく「おまえなんか死ねばいいのに」と思う人もいる。1回も会ったことがないのに「僕・私のパートナーになるべきだ」と思い込んでいる人もいる。
犯罪すれすれの攻撃がきたとき、あなたは逃げ切れるか。保護者は保護すべき人を守れるのか。それができないなら、この時代にネット有名人がテレビで顔出しするのは非常に危険である。
(上記の「ただひとつのいいこと」の方向でいけば、今回の取材で動画の人と専門家との「コネ」ができたというあたりではないだろうか。)
今回登場した人が、将来トラブルに巻き込まれないか、心配でならない。これをチャンスとして将来を自分の思うように変えていくほどの、強さがあればいいのだけど、たぶんみんな、それほど強くない。
類似した案件
駅の話
人ではなくて駅の話だけど、人も駅も何もしてないのに、ニュースで取り上げられてしまい、、、
NHK NEWS WEB Cameraman’s Eye 北の無人駅と女子高校生
地元の方からの「小さなお願い」が拡散されています。*1
無敵の人
インターネットにおける悪評
- [批評・体験]
こころが痛い案件だった/特定のモノをひぼう中傷する人が現れるきっかけなんて、なんでもかまわない/仕事、家庭、趣味等に各6人くらいの「わかってくれる人」を作れたらなんとかできそう(6次のへだたり)だけど。
2015/06/03 12:46
スマイリーキクチさん
大人ならおそらく知っている(知っていてほしい)事件。wikipedia:スマイリーキクチ中傷被害事件にもまとまっているが、ご本人のブログもあります。
著書も図書館などで手に取っていただきたいです。
参考資料
*関連したイベントやセミナーに足を運んでみるのもいいと思います。
お住いの自治体・都道府県名と「(青少年)スマホセミナー」などで検索してもいいかもしれません。ネットリテラシーやネット犯罪を扱ってくれるものもあります。
たとえばこういうものがありました。
*先月アドベントカレンダーで参加させてもらった、「子供とネットを考える会」去年の記事。
「子供」×「ネット」 Advent Calendar 2014 - Adventar
その「つぶやき」は犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―(新潮新書)
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通称”vvvウイルス”に動揺してしまった。
あるいみvvvウイルスにやられた
Twitterを見てたらなんかえらい騒ぎになっている(と錯覚して)んじゃないかとか、あーこれ週明け出勤したらユーザー対応大変かもとか思ってたんですが、どうもそれほどやばいこともなかったようです。(ただ、いつでもある程度のウイルスのリスクには備えなければなりませんけど)
↓のリンクは龍谷大学の小島先生のサイトから、通称vvvウイルスについて書かれた部分。
これを見る前は、Twitterでフォロワーさんがざわざわしてたときに、Yahoo!ニュースに記事がのったことから、自分も「確定ですねぇ」とかツイートしてしまった。反省。
その後Twitterのトレンドからはすっと消えてしまい、大手ベンダーさんも「差し迫った脅威ではない」と言っている。*1
vvvウイルスの正体
小島先生が書いてくれていたサイトから、今回の通称「vvvウイルス」は、TeslaCryptとか、Alpha Cryptという、ファイルを暗号化するタイプのランサムウェアの亜種ということでいいと思います。Twitter上で感染被害をツイートされた方が、「ファイルの拡張子がvvvに変わった」と書いていたことから、通称vvvウイルスになっていきました。
ランサムウェアとは何か
初めて見た人もいるかもしれないので、ランサムウェアについての解説も貼っておきます。
ランサムウェアとは、ファイルを勝手に暗号化するなどパソコンに制限をかけ、その制限の解除と引き換えに金銭を要求する不正プログラムの総称です。
対策はけっこう地味な方法しかない
これを含みコンピュータウイルスへの対策は、「これさえやれば100%防げる」というのはありません。
地味ですが、「使っているOSのアップデートを行う」「使っているソフトウェアの(特に脆弱性対応の)アップデートを行う」「ウイルス対策ソフトも併用する」あたりになります。
また、万が一にそなえ、「大事なデータのバックアップをとっておく」。ソフトウェアや機械は壊れても、極端な話、お金で解決できますが、データを取り戻すことはかなり難しいです。
ウイルス対策ソフトは使う人によって好みとかあるので、いちがいに「これぜったいおすすめ!」ともいえないですね。ホームページやお店で調べてみてください。
オチ
動揺というかびっくりしたニュースはこれ
速報!『マインクラフト』がWii Uに登場。12/17(木)よりニンテンドーeショップで販売開始! | トピックス | Nintendo
- [ゲーム]
- [ゲーム_任天堂伝説]
- [ゲーム_公式,プレゼン]
そしてVitaをキャンセルしてWiiUを買い直すサンタさんが続出?
2015/12/08 10:01
だからパスワードとIDは大事なんだってば
以前からくちすっぱく、パスワードもIDも大事だって書いてるんですけど、時事ネタですが国勢調査のあれでまたぞんざいに扱われちゃいました。
悲報 パスワードが記載された国勢調査の利用案内が無防備にポスティングされる事案が続出|I believe in technology「IDと初期パスワードは封をしてなくてもいいんだ、国がそうしてるから」的な意識がついちゃうかもっていう点ではあまりよろしくない。
2015/09/14 12:03
ちょっと難しい話も↑のブログでは書いてるけど、ここでは問題をしぼります。「パスワードの扱い方」です。
国勢調査2015は入力前にIDとパスワードでアクセスして、それからいろいろ情報を入れるので、誰かに取られたとしても、情報を盗まれるリスクはほぼ無いです(なりすましのリスクはある)。それでもいくら初期パスワードでも、後で変えられる(国勢調査2015の場合、最後に変更しないと入力完了しない)といっても、「封を開けた状態(誰でも見られる)」で、さもやポストからさくっと抜ける状態で扱うのはよくないです。
ブコメでも書きましたが、これを体験した人が、「あー、初期パスワードとかって、こういうふうに渡してもいいんだー」とか思われるのがいちばんいやですね。
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NHKのプロフェッショナルって番組で、サイバー攻撃の現実をかいまみました。www.nhk.or.jp
これ9月19日の1時(18日金曜の夜遅く)に再放送あるらしいんで、見てないひとは録画予約すべき。
ここまで高度なことはわからないにしても、基本的なところとして、「機械的なセキュリティ」と「人間的なセキュリティ」があるんですよね。
機械的なってのは、そもそものパソコンの機械のしくみとか、あとソフトウェアのしくみのすきをついた攻撃がたった今でもひたすら続いてるんですけど*1。
人間的なってのは、それこそ「ミスをする人間」の心理を突いたやつですね。最近の情報漏えい事件では、言葉巧みにファイルを開けさせようとしたおとりメールを送る手口もありますし。
日本年金機構
↑ここから報告書PDFのリンクとか*2あります*3
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サイバーセキュリティについてちょっと興味があるって人は、とりあえずITパスポートあたりから手を付けるといいと思います。
情報処理教科書 ITパスポート テキスト&問題集 2015年版 (EXAMPRESS)
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また、セキュリティニュースはいくらでもとれますし。
私が巡回(RSSとかもふくむ)してるのは
とか、あとマイクロソフトとか(仕事とか個人で使ってるソフトウェアの)いろんな会社のセキュリティ情報コーナーとかです。
宗教上の理由で(謎)某速報とか某まとめとかは読んでません。